息子たちに伝えるハハオヤの雑記

30代の自分の日々を淡々と。20年後、30代になるムスコ達に向けて。

ある販売員から聞いた、工房修行の一側面について

昨日、良い話を聞きました。 

 

あるお店で傘(織りのきちんとした作りの傘)を購入したのですが

そこで熱意ある接客をしてくださった店員さんが、過去、新潟県十日町市で着物製作を学ぶために工房で7年間修行をやっていたと聞きました。

そして、そこでの修行の様子を教えてくださいました。

工房での修行の厳しさ…"その仕事だけでは食えない"、"親方や先輩が厳しい"、

そういったことは良く聞きます。

が、その販売員の方が話してくれた"厳しさ"、の内容をよくよく深掘りすると、

・弟子たちが殴られるのは日常茶飯事

・柿渋を投げつけられて頭から浴びる、

・他にも諸々、指導というよりイジメ…?のような仕打ちを受けた

など…

 

志高く持って入ってきた若者たちも、1人2人とやめていき…自分が話を聞いた定員さんがその工房に最後まで残り、

そして、

その方は、自分は一通り技術を身につけた。腕一本で生きていける、と自信がついた段階で辞めたそう。 今はフリーランスの着物デザイナー兼販売員で生きているそうです。

 

話を聞いて、複雑な気持ちになりました。

今の若者はヌルい、とか、鉄拳制裁だ!というやりかたも確かに否定はできませんが…

そのやり方は愛のある厳しさなのか、単なるシゴキなのか。

いずれにせよ、シゴく相手に、シゴくなりの理由や愛情が伝わってないと単なるイジメだよな、とも。そのやり方、自分たちの首を絞めているだけだと気づかないのだろうか…。

 

工房の後継者不足、というテーマは良く聞きますが、その問題を突き詰めていくと、どの業界にも共通する、極めて普遍的なテーマに行き着くな…と最近思います。

例えば先人たちの、自身の経験への固執と変わることへの抵抗感だとか。

そういった問題の解決方法も、各々の業界特性をちょっと味付けした、共通のアプローチになるのかな…なども思います。

ポーンと、すぐ、解決方法が出てくれば良いのですけどね。

 

そんなこともつらつらと考えましたが。

品質、デザインともにとても気に入った傘を手に入れられて、しかも考えの種になる面白いネタまで教えていただき、ラッキーな日でした 笑

店員さん、ありがとうございます!

 

ちなみに。

購入した傘はここのものです。江戸時代から続く織りの傘のお店。山梨県にあります。

とても品質が良いものをきちんと提供くださってます。修理もしてくれるそうです。

https://www.makita-1866.jp/