読書メモ
ISBN 978-4-8222-6456-7
【感想】
・今や話題のショッピングセンターに行くと、必ずといっていいほど店舗が入っている「中川政七商店」が、どのようにしてブランディングを図ってきたかを具体例をあげて丁寧に描いた本。
・この本は10年ほど前に出版されたものだけど、内容は陳腐化していないと思われる。ブランディングのプロでにとっては当たり前のことばかりだろうけど、全くの素人が一から自分の会社をなんとかしたい、という思いの中小企業の人たちにとっては、いい入門書ではないかと思う。
この本で社長が"将来はこんなことがしたい”と言っていることを、10年経て今まさに実施中であることが素晴らしいなぁ。有言実行。
・何冊か著者の本を読んできたが、自分の会社をなんとか改善したい!と考えている中小企業や一家で事業をやってる人たち(いずれもデザイナーやブランディングなどのプロではない人たち)が、抑えとくべき勘所を、分かりやすく取り組みやすく丁寧なプロセスで書いているものが多く、そういった人達にはかなりの良書だと思う。
【ポイント】
・ブランドはデザイナー一人がつくるものではなく、会社に関わる全ての人が作成するもの。商品自体だけでなく、販売方法、流通方法、営業スタイル、すべてにブランドの「らしさ」が一気通貫で統一されているべき。
・メーカーは、エンドユーザーとのタッチポイントを増やすことでブランディングをはかる。
・外部デザイナー起用時の注意点。デザイナーの感度が高すぎて、メーカーのターゲット層との乖離が大きすぎる場合が往々にしてある。結果、開発した製品が売れなくなる。デザイナーに、ターゲット層の目線まで降りてきてもらうのが必要。(メーカーもデザイナーも、双方努力が必要)
・ブランディング構築の為のディスカッション方法…コンセプトワーク。
・小売りには、顧客とのタッチポイントとしても、直営店を持つことが理想。