20180528 技術の継承と、生きていくための手段と
【振り返り、今後の方針】
1.感情を宥める方法として全く別の一つのことに集中する
2.鳥の眼、虫の眼、魚の眼、に加えて 蝙蝠の眼、があるそう。(反対から見る)
3.睡眠は疎かにしない…
【本題】
突然ですが知人の会社が制作している仏具sottoを紹介します。
とても美しく、生活に馴染むデザインです。
我が家は今のところ仏壇仏具と縁のない生活ですが、これだったら置きたい。
丁寧に、こんなページも
仕事でも少しずつ工芸に関わりを持つようになり、色々物事への見え方が
変わってきました。
その中でも認識が大きく変わったのは、従来からの日本の伝統的な仏壇仏具について。
今迄は、「なぜかゴージャス」「とにかく大きい」「マンションには合わない」程度の想いで、その価値を認識していなかったのですが…仏壇の制作工程を知り、驚きました。
徹底した分業体制と、一つ一つの部位に技術の神髄がおさめられている様子と。
大きくて立派な仏壇、あれ自体が一つの技術の結晶、もとい芸術だ、と感じるようになりました。
地方で大変立派な仏壇を目にし、装飾の様子をつぶさにみると、それがどれだけ難易度の高い技術で制作されているか良く分かります。
とは言え…そういった仏壇にニーズが急激に下がっているのは事実で。
また、従来仏壇制作に適した材木を国内調達することが大変難しい状況になっているのもまた事実で。
仏壇業界もこれまでの様ではいけない、と、sottoのような、コンパクト、シンプルな仏壇仏具を制作する風潮になっています。消費者にとっては嬉しい限り。
一方そうなると、
従来の豪華絢爛な仏壇を作れるほどの技術を活かす場が無くなっていく訳で。その技術の継承の場をどうやって作っていくか…。
あるプロジェクトの取り組みで、現代アーティスト × 伝統工芸士 にて
大型の彫刻制作を行う、という内容を見たことがあります。
しかも彫刻制作、相当に難易度高く…ベテランの伝統工芸士4名が数十日がかりで苦戦を重ねて、ようやく完成させた、という程のシロモノだそうです。
なるほど!と膝を打ちました。このような場がもっと多くの工芸士の方々に提供できれば良いのですが。しかしやはりなかなか、難しい…。
工房として生活を成り立たせるためには、消費者に反応の良い雑貨系を作るパターンが
多いのが実情。
しかしその一方、そこに傾倒し続けると難易度の高い技術の継承に課題が出てくる。
その課題をどう解決するか。
一つの案として。難易度の高い技術の結晶として制作された「消費者にハマる」モノたちを売ることで工房の生活が成り立つ仕組みを作れば良いのです。美術工藝の域に入る話です。
さてそのマーケットは確立しているのか。恐らくそれはまだ。
のでマーケットを確立させたい…ちょっと色々、これから調べ物をして長期目線で動いていくつもりです。
ある、工芸関係のコンサルタントの方がおっしゃっていた言葉がずっと心に残っています。
「生きていくためには、職人は雑貨を作っていく必要がある。
でもその一方、技術を高める・試す場も作らなければ、日本の工芸の強みは廃れていく」