廃校活用 阿東文庫。秀逸さと懐かしさが同居する空間の不思議について。
廃校活用のある成功例、を聞きました。
http://ospreymanta.blog.fc2.com/blog-entry-1762.html?sp
簡単に言うと、
地元内外のおじいちゃん3人が中心となって廃校に捨てられる予定だった本たちを集め、図書館という新たな役割を廃校に与えた…という事例です。
が、この話、なかなかパンチが効いてまして。
まずこのおじいちゃん3人がかなりの頭がキレて、且つやんちゃな方々だそう。
地元で捨てられそうになっていた大量の本を、
これまた取り壊し予定だった廃校に勝手に持ち込み、廃校をジャックしたのが、阿東文庫設立のきっかけとのこと。
おじいちゃん達は何の許可も得ず廃校を完全占拠したので、当然、自治体からは退去勧告。
しかし、何がおきてるんだ?と訝しがり廃校を訪れ始めた地元の人たちを次々と味方につけ、
最後は地元住民の応援と文庫の運営という既成事実を作り、自治体に阿東文庫の運営と存続を認めさせたのだそう。
おじいちゃん達、イケてます 笑
そしておまけ話がもう一つ。
この事例が全国的に有名になり、全国各地から廃校活用例として視察の人たちが訪れるらしいのですが。
阿東文庫を訪れた人たちが決まって口にするのが、
・これはただの図書館ではない。
・これはアートだ。
・ここには文化がある。
というセリフだそう。
阿東文庫の何がそう連想させるのかは分かりませんが、この話を自分に教えてくれた人は、
阿東文庫は人々のニーズ、欲望を詰め込んだだけの場所ではない。心地よい空間がそこにはある、と言っていました。秀逸さと懐かしさの空間が同居していると。
一方、反面教師としてもう一つ教えてくれた廃校活用の事例。
それは、ある地域の廃校活用として行われていた、カフェ、コミュニティスペースなどを詰め込んだ複合施設。
東京の有名広告代理店で働いていたあるクリエイターが主体となって、作り上げた場だそう。
しかし、とてもおしゃれな施設ではあるものの、なんというかとてもチグハグな印象を受けたと。人の欲望だけが集まった施設で、ストーリーや隙間、が無かったと。
あくまで人から聞いた話なので、
実物を見たとしたら自分は違う印象を受けるかもしれません。
けれども、阿東文庫と複合施設との違いは何だろなと。阿東文庫を見た多くの人に、アートだ、文化が成り立っている、と言わしめる要因は何だろうと探りたくなりました。
どこかの機会があれば、阿東文庫、訪れようとおもいます。