工芸産地の衰えを食い止めるために必要な人材について
滋賀の信楽焼の地で、自分のお店を開き、新たな陶器の可能性を探って頑張っている方のインタビューを読みました。
https://www.kougeimagazine.com/crafts_now/171102_nota/
この方の様に各地で頑張ってる人達は沢山いますし、言い方は悪いけど似た様なインタビューも結構あったりします。
ですが、自身はこのロングインタビューを読んで2つの箇所に、お、と共感を覚えました。
心に引っかかったところ…その1
"産地全体としてとか、組合一丸となってというのは難しい。何年間かいろいろ試してみたけど、調整することが業務になるばかりで、これは無理だなと。もうひとつ僕が感じたのは、力がない状態で10社集まってもうまくいかないんです。それよりも、まずは切磋琢磨して、それぞれに力をつけた段階で数社集まってやり方を考えるとか、外からの力をうまく使うとか。そうやって産地をうまくプレゼンしていかないとダメだと気づきました。"
これはほんとに、色々とトライしてきた方だから言えるセリフだなと…。
調整ごとは必要なんだと思います。誰かがやらないと、その地の組織は動かない。
その地のキーパーソン達に働きかけられる、それこそフィクサー的存在(言葉のイメージは良くないかもですが)が必要と思ってます。
一方、産地はものすごいスピードで衰えていく訳で。だから比較的早く効果が見える方法も誰かがやっていかなければ。このインタビューの方は、後者を選んだんですね。
産地を変えたければ、
信念と覚悟を持った、調整ごとをする人/効果を出す人、がお互い両輪のように、関わりながら
動いていくことが必要なんだろな…という個人的感覚を持ってます。
この信楽の地には、調整に走り回れる存在はいるんだろうか。このインタビューの方のような人たちを支える黒子的存在みたいな人が。
最近、信楽焼を取材された人から、いかに信楽焼の産地が(地域の工芸団体のモチベーション含め)衰退の一途を辿っているか…嘆かわしい話を伺ったタイミングだったので、このインタビューがとても気になりました。
あと誤解を恐れず言うなら、ですが、
自身は産地のフィクサーというか、調整役になりたかったよなぁ…とも、ちょっと思い出したり。まぁ、根気も忍耐も交渉能力も必要そうだし考えるだけで胃に穴が空きそうな仕事かもしれませんが…。
心に引っかかったところ、その2はまた後日に。