息子たちに伝えるハハオヤの雑記

30代の自分の日々を淡々と。20年後、30代になるムスコ達に向けて。

久米島紬の職人さんとの話から考えたことについて。

機会あり、”久米島紬”の展示会館への訪問と、久米島紬の現役職人さんに話を伺うことができました。

 

久米島

http://www.kume-tumugi.com/

 

そこで感じたことを2つ書きます。

 

一つ目。

各々の地域の工芸品についてはどんなに小さなマーケットとであっても少なからず成り立っているのであれば、その規模を無理に拡大…マーケット拡大を目指しての外部からのテコ入れ策など…する必要は無いのかもしれない。
例えその工芸品が素晴らしく高い技術で、拡販可能性が高いとしても、
その工芸技術に関わる当事者方が望まない限りは…それは外部による単なるお節介だということ。


二つ目。

工芸品というのは、やはりその土地のアイデンティティが色濃く反映されたものであること。
工芸品が一番映える場というのはその土地であること。

ついでに、工芸品をその土地以外の外部に出すことでの地元への影響についても思うところがありました。
その影響は地元が望むものなのか。


こう感じた背景は
久米島紬職人の方と話をさせてもらった中で、彼女・彼ら職人さん方は”足るを知る”の境地におられるのかもしれない…と考えたことがきっかけでした。
 
完全手工業なので反物の年間総数もかなり限られる。
でも、無理に拡販しようとはしていない。(拡販できないという理由もありますが)
あくまで久米島紬の伝統手法の継承を一番の目的としている。
後継者も年間1、2名程度募集と人数が限られている。今の久米島紬の全体の業務容量から考えると後継者の人数は恐らく適正。
今の仕組みの中での仕事量と得られる利益でやっていくことを良しとしている…といった様に感じました。

 

例えば…、この方達に”もっと久米島紬のマーケットを広げましょう!”と言ったとしても、
恐らく望むところでない気がします。

 

職人方とは軽く話しただけなので、久米島紬の業界自体も多くの課題を抱えているのかもしれません。
が、もし、自身が感じた印象が正しいのであれば…これはこれで良いのかもしれないと感じました。
外部がいろいろ言う口出しをする必要はないのかもしれない、と。

 

あまり纏まらない話でしたが、
工芸品=斜陽業界、マーケット拡販にテコ入れ必要、といった話がされがち&自身もそういった考えがあったので…色々と考えさせられました。